土曜日, 12月 30, 2006

がんの温熱治療(ハイパーサーミア)

 温熱治療を行っている某病院の院長先生に診断を受ける機会を作ってもらえたので、しげGと一緒に自宅から40分ほど走ったところにあるその病院まで行ってきた。そちらでもレントゲン写真を撮ってもらって診断してもらった結果、確かに見えない程度には病巣は小さくなっているが、レントゲンにしろCTにしろ、小さすぎる病巣は見えないのでやはり無くなったとは言えないということと、抗がん剤治療はどうしても行き止まりにしかならないということと、(当然の事だが)副作用が無くてメリットがある温熱治療の良さを院長自ら熱心&詳細に説明してもらえた。ただ、この病院での温熱治療は待ち行列が長すぎて今から予約を入れても3月中旬にならないと治療を受けられないというのがつらいところで・・・院長先生が言うには「温熱治療を受ける気があるなら、I市の方にも同じ温熱治療をやってる病院があって、そっちならこちらよりも早く治療を受けられるはずなので紹介状を書くからそっちに行ってみては?」ということだった。温熱治療は副作用が無くて保険治療が効いてと患者にとってはメリットが大きいが、病院側に取っては高い装置が必要なのに安い治療費でメリットが少ないということでなかなか普及しないらしいが、その弊害をモロに受ける形である。いくら現時点でレントゲン写真に何も映らないほどに状態が良くても、さすがに3ヶ月足らずも呑気に待つわけにもいかないので,I市の病院への紹介状を書いてもらうことにした・・・ら、その場であれこれ書類を書き始めて、その場で今までの主治医の先生へ送る紹介状の返事と、今度行くI病院の先生への紹介状の二通を渡してくれた。院長という立場にも関わらず、このフットワークの軽さは素晴らしいと思う。

 間にレントゲン撮影の15分ほどを挟んで1時間にも及ぶ診察と治療方法に対する説明を受け、病院を出ると妻が「診察代1370円やったけどええんかなぁ?」と驚いていた。レントゲン写真を撮って、紹介状も書いてもらったことを受付に言ったのだが、その値段は変わらなかったらしい。「温熱治療は儲からない」という以前にそんな診察代では儲かるはずが無いと思うのだが・・・ほんまにええんでっか?>院長先生

 ということで、今日診てもらった院長先生は丁寧に分かりやすくいろいろと説明してもらえたのも良かったが、何よりも「言うべきことは言って患者に正確な現状認識をしてもらい、その上でしっかりと対応を考えよう」という方向が患者に信頼感を与えているように思えた。どうしようもない(治療方法が無い)症状の患者に対して、はっきりと「もうあんたはダメだ」とは言わないが、できることがある患者に対してはしっかり現実を見据えた上で出来るだけの治療を行うという方針は患者側も精神的に強くなる必要はあるが、しげGの場合はたぶん大丈夫だと思う。(思いたい)

 次に行くI市の病院にさっそく電話すると、こちらは2月頭くらいから治療を受けられるようなので、治療のための診断を受けたいと申し出ると、年明けの5日に来るように言われた。前の病院での診察記録も持ってきて欲しいということだったが、こないだまで入院していた病院は4日にならないと事務処理が始まらないので4日に行ってその日のうちに診察記録をもらえるかどうかがちょっと不安だったりする。ま、年が明けるまでは悩んでも仕方ないけど。

火曜日, 12月 26, 2006

退院

 10月末に入院してからの治療は抗がん剤(ランダ&ラステッド)の投与を2クール連続して、レントゲン写真で見る限りは原発病巣が殆ど見えないくらいに小さくなるという高い効果が認められたところで一旦退院となった。今後は月に一回程度の診断を受けてまた病巣が大きくなるようなら抗がん剤の投与を始めるということになる。ただ、病巣が大きくなるのを待ってから(投薬回数が限られる)抗がん剤の投与をするという消極的なパターンではなく、積極的に何かできないかということで別の病院でのハイパーサーミア(温熱治療)も受けてみるつもりである。ただ、そちらは予約が二ヶ月先まで一杯になっているというのが怖いとこではある。(それだけ効果があるということなのか、「藁を掴みたい」人がそれだけ多いということなのかはわからない)

月曜日, 12月 25, 2006

退院前の最終検査

 しげGは金曜から自宅に帰ってきていたが、昨日までの三日間は入院中に気になっていたあれこれの農作業を片付けたりして、本当に元気いっぱいだった。力仕事して汗をかいた後に風邪を引いたりすることがないようにだけ注意はしていたが、それ以外は特に病人らしいことはないというのが素晴らしい。

 今日は退院前の最終検査を受けに午前中に病院に戻っていったのだが、しげGと主治医の先生と看護婦の間の意思の疎通がいまいち取れてなかったようで、なかなか血液検査にも来ないので通りがかった看護婦に「最後の検査はいつ来るん?」と聞いたら「え?そんなん聞いてませんよ」と言われたらしい。なんともエエ加減だとは思うが・・・田舎の病院ってこんなもんなのか?

 ともあれ、無事に検査も終わって明日の退院が確定した。しげGの予定通り(?)に大安に退院できて何よりである。あとは30日にハイパーサーミアの治療を受けるための診断を受けに某病院まで行くのが大きなイベントとして残っているが、それも治療自体を受けるとしても予約が一杯で2ヶ月待ちという状況なので年末からしばらくの間は普通の生活リズムに戻れそうな感じ。

木曜日, 12月 21, 2006

一時帰宅

 というわけで、しげGは午前10時頃に家に戻ってきた。抜けた髪の毛を隠すように毛糸の帽子を家の中でも被っているのが入院前と違うところだが、それ以外は特にやつれた様子でもなく元気な感じ。日焼けして真っ黒だったのが少し薄まったかな?という気もするが、外見の変化はそれくらい。

水曜日, 12月 20, 2006

体調がそろそろ復活してきたので

 白血球数も4000以上に復活し、体調も相変わらずとても良いということで明日(21日)から月曜まで外泊できることになった。予定では月曜に最後の検査をしたらその次の26日に退院することになっているらしい。(26日が大安なのでそこで退院したいらしい<しげG)

 なんだかあっけないが、そういうことである。退院と同時に診療記録などが貰えるはずなので、できれば年内にのうちに温熱治療(ハイパーサーミア)のための診断に行くつもり。ただ、ハイパーサーミアをやってる近く(田舎道で30分)の病院では治療がなんと2ヶ月待ち!ということなのがちょっと心配ではある。そんなに悠長に待てるのかなぁ、という気持ちと、現在の状態なら大丈夫かも、という気持ちとが半々。ちと遠い(高速道路も使って1時間)病院まで足を伸ばした方がええかなぁ。

日曜日, 12月 17, 2006

今日も今日とて

 しげGは元気である。投薬開始直後だけしんどかったらしいが、投薬が終わってからは(白血球が減り気味らしいが)体調も良い状態が続いているので、毎日のように「20日くらいに一度外泊させてもらって、28日には退院やな」などと、家に帰れる日を指折り数えて待っている。確かにこのまま問題が無ければそんな感じになりそうではあるが・・・となると、そろそろ温熱療法の下準備に入った方がええんかな?

木曜日, 12月 14, 2006

白血球が少し減少気味

 しげG本人は相変わらず元気な様子だが、白血球数は約3000程度にまで減少しているらしい。第1クールでは投薬終了後1週間~10日ほどの時点で白血球数・血小板濃度ともに一番低くなっていたと思うので、第2クールでも同じような経過を辿っていくような気配である。ってことはあと一週間もすればまた血液検査の結果も正常に戻って、外泊も許されることだろう・・・と気楽に考える家族一同である。

月曜日, 12月 11, 2006

相変わらず元気

 しげGは今日も元気だったが「昨日は夕食後にちょっとお腹が持たれた」と言っていた。どうかしたのかと思ったら、母が自分の夕食として持っていったホカホカ弁当(幕の内弁当)を取り上げてぺろりと食べてしまったらしい。さすがに運動を全くしないので普通のお弁当はカロリーが高すぎるんやろね。それにしても病院食を物足りないと思うくらいだからたいしたもんである。

土曜日, 12月 09, 2006

第2クールの投薬は全て完了

 火曜日から始まった第2クールの投薬(ランダ&ラステッド)も今日で全て終わった。あとは一日おきの血液検査で白血球や血小板濃度の変化を追いかけながらX線検査で癌に対する効果を調べて、月末までに落ち着けばめでたく一時退院して年末から自宅で過ごせるようになる。今のところは第1クールと同じかそれ以上に体調は良いようで、しげG曰く「前の時よりしっかり眠れる」とのことだが、これは前回の投薬は相部屋に居た時だったのに対して今回は個室でのんびり出来るってのが大きいんじゃないかと思われる。なんにせよ精神的にも肉体的にも安定しているのはええことである。

木曜日, 12月 07, 2006

今回はちょっとしんどそう

 第1クールではシャックリが出たり、熱っぽく感じたり(体温は平熱)するという状態になったりしたが、今回はそれも無いようだ・・・と思っていたら、「前の時はこんなにしんどかったかなぁ?」と言い始めた。食欲はしっかりあるし、気分が悪くなったりはしてないのだが、さすがに連続での抗がん剤治療は身体に堪えるのかもしれない。まぁ、今は点滴に繋ぎとめられている状況(トイレに行ったりはできるが)なので土曜日に点滴が外れて動きやすくなったら気分転換もできてしんどさも感じなく・・・なって欲しいなぁ。

主治医の先生にお話を聞いてみた

 しげGは投薬二日目に入ったが、今回は第1クールの時のようにシャックリを連発することもなく、いたって平和に過ごしている。

 さて、今日は主治医の先生から直接(しげGを通さずに)お話を聞く機会を作ってもらったのでいろいろ気になることを聞いてみた。



1.現状

 ■主治医の意見
 原発部分の病巣はほとんど見えないくらいに小さくなっているのは確かだが、このまま治るというわけではなく、やはりこの癌の場合は時間の経過と共にまたがん細胞の増殖は始まるだろう。抗がん剤の一度目の投薬では効果が高いことが多いことと、この癌(肺癌・小細胞がん)の場合は抗がん剤の効果がよく現れるのでこれくらい効果があるのは不思議なことではない。(つまりしげGが奇跡的な回復を見せたわけではない) 

 
 写真は9月20日に肺癌と診断された時点での写真と11月29日に1クール目が終わろうとする頃の写真で、確かに左肺(画面右側)の真ん中あたりにあった直径6cmほどの原発病巣はほとんど見えないくらいに小さくなっている

 要するに、一見して消えたように思えても、ぬか喜びしたらあかんちゅ~こっちゃね。


2.今後の治療方針

 ■主治医の意見
 現在は第2クールに入ったところだが、とりあえずここで一旦投薬を止めて年末・年始は家で過ごせるようにして、あとは検査を繰り返して癌が大きくなったらまた投薬ということになる。第2クールでも現在の薬(ランダとラステッド)が効いているようならそのまま同じ薬を投与するが、効果が薄くなっているようなら第3クールからはイリノテカンとの組み合わせになる・・・かもしれない。(今のところは何ともいえない)
 イリノテカンの方が効果は高いとされているが、最初に使わなかったのは副作用で致死性の間質性肺炎を発症する可能性があったため、安全な薬から使うことにしたため。
 抗がん剤はがん細胞に薬剤耐性が出来ると使えないので、薬剤の種類に限りがある現状では第6クールくらいまでしか抗がん剤治療ができない。状況によっては(特別な薬を備えているなど)第10クールまで可能な場合もあるが、どちらにしろ回数に限りがある治療なのであまり短いスパンで投薬するよりも、なるべく引き伸ばして(ある程度がんが大きくなるのを待ってから)投薬した方が結果は良い(=生存期間が長い)のではないかと思う。


今後も薬剤を(変えられるうちは)変えながら抗がん剤治療を続けるということしか無いようである。

3.温熱治療(ハイパーサーミア)について

 ■主治医の意見
 温熱治療の効果があったという実例を直接は知らないので何とも言えない。効果を期待して患者さんが行くのを止めはしないので、診断情報などが必要なら言って欲しい。


 これはまぁ予想通りといえば予想通りの答えかな。

 というわけで、月末には一度退院してお正月を自宅で迎えるということにはなりそうだが、第1クールの時のように投薬後10日もしたら外泊ができるほど体調が整えば(白血球や血小板濃度などが正常になっていれば)一度温熱治療をやっている病院に診断を受けに行ってもらおうかと思っている。年末までに予備診断を済ませておけば、年明けからは週に1~2回の温熱治療を開始できるだろうし、もし本当に温熱治療に効果があるなら何とか癌が小さいままで維持できるかもしれない。主治医の先生としては、肺癌の小細胞がんに関しては「一時的に見えなくなっても、いずれ再発する」という正統派の(?)意見のようなので、正統派の抗がん剤治療以上のことを期待するなら、やはりこちらで動くしか無さそうである。

火曜日, 12月 05, 2006

第2クール突入!

 結局、予定通りに抗がん剤治療の第2クールに突入することになった。薬剤は前回と同じランダとラステッドの組み合わせである。前回効果があったのでそのまま継続って感じかな?義母が主治医の先生に会う機会があったので現在の状況を詳しく話を聞いたところ、原発病巣が本当にかなり小さくなっていることは間違いないのだが、反対側の肺への転移とみられるものは残っているのでやはり予断を許さない状況であることも確からしい。肺がん(小細胞癌)としては標準的というか、よく効く状況ではあるが、それを患者であるしげG本人に正直に言うか、ある程度楽観的な方向にバイアスをかけた情報を伝えてメンタル面での気落ちが無いようにするかが難しいところで・・・明日は主治医の先生にもう少し詳しいことを聞く機会を作ってもらえるとのことなので、現状&治療方針の確認と合わせて温熱治療(ハイパーサーミア)との合わせ技についても聞いてみようと思う。

月曜日, 12月 04, 2006

がんが殆ど消えている?!

 金曜から家に帰ってきていたしげGは昼前に病院に戻っていった。家に居る間はとても元気で極々普通に生活していたので「闘病日記」としては特に何も書くことがなかった。

 病院に戻ってから明日から始まる予定の第2クール投薬に備えてCTスキャンを撮ったところ、なんと、がんが殆ど消えて無くなっている(?!!!!)らしい。8月に受けた健康診断でのX線写真で「気になる影がありますね~」と言われた時よりも、影が小さくなっているとのことだった。小細胞がんには抗がん剤の効果が高いとは聞いていたが、まさか殆ど消えて無くなるほどに良く効くとは思わなかったので家族一同びっくりである。

 先生は「今回で抗がん剤治療は一旦終わりましょう」と言ったらしいが、それが第2クールをやってから終わるということなのか、今のままで充分なので第2クールは突入せずに終わるということなのかがちょっと謎。しげGもそこまでは気が回らなかったので、後から考えて「さて、どっちやろ?」と悩んでいたりする。前回は投薬前日に投薬スケジュールが渡されていたのに、今回はそういうのが無いところを見ると本当に第1クールだけで終わってしまうのかもしれないが・・・ま、明日になって投薬が始まらなければ第1クールだけで終わりってことやね。

 どこまで抗がん剤の効果があったのかをもっと詳しく知りたい気がするので、もし第2クールに入らないということであれば、明石の成人病センターでもう一度詳しく検査してもらうつもりである。(第2クールに入ったとしたら、その後で検査してもらいに行くつもり)

 本当にこのまま癌が消えてなくなってくれてりゃ万々歳なんだけどなぁ。